小松式ドネーションならぬひまざぶ式ドネーションによる投手の貢献度についての評価_3
今回は、セントラルリーグの投手を抽出する。
久保康友、井納翔一、モスコーソ、山口俊の4本柱はさすがの一言。
ひまざぶドネーションにおいてもエースの働きを示している。
三上朋也もルーキーながら守護神として大活躍であった昨シーズンを思い起こさせる。
三上朋也の復帰が待たれるとともに、今シーズンが終わったとき山﨑康晃がどういう数字を残すかが楽しみである。
読売について、菅野智之、スコットマシソン、杉内俊哉はさすがである。
大竹寛の貢献度の高さを抽出できた点は興味深い。
メッセンジャー、呉昇桓、藤浪晋太郎は貢献度がかなり高いことがわかる。
岩田稔が先発としてローテーションを守ったことも評価できる。
バリントン、ミコライオを移籍で欠き、中田廉も故障と不調で結果を出せていない。
2015年の広島東洋カープの不振について原因が見えた気がする。
前田健太、大瀬良大地は評価できる。
山井大介、福谷浩司、又吉克樹、岩瀬仁紀は両指標で高評価になっている。
中継ぎ投手不利と見られてきたひまざぶドネーションでは又吉克樹が評価され、大野雄大が評価を落としている。
指標としてのバランスがとれていることも示唆される。
こころなしか、他のチームよりも数字がガクッと落ちた印象がある。
以上、新指標としてひまざぶドネーションを挙げてみた。
今後、投手を評価する上で使用していきたい。
ちなみに、2014年NPBひまざぶドネーションランキングを以下に示したので参照されたい。
小松式ドネーションならぬひまざぶ式ドネーションによる投手の貢献度についての評価_2
前回の記事では指標の紹介をした。
そこで、今回はパ・リーグの投手について評価を進めていく。
なお、結果の母数が大きい2014年の成績をもとに計算していく。
小松式ドネーションとの比較も行っている。
表中、オレンジ色で塗られているのが各ドネーションのベスト3である。
黄色で塗られているのは各ドネーションのベスト5になる。
まず、北海道日本ハムから見ていく。
HMZB.Dでは増井浩俊が1位になっている。
この現象については、登板試合数と敗戦数をうまく加味できた結果であろう。
大谷翔平はイニングイーターとしての機能を果たせなかったことから2位になった。
クロッタはセーブ数、勝利数が多く宮西尚生よりも有利になった。
新指標によって、先発数の多い上沢直之の貢献を抽出できた。
次は福岡ソフトバンクの結果を示す。
サファテが両指標で変わらず1位という結果になっている。
抑えとしての貢献度の高さが伺える。
スタンリッジ、中田賢一もHMZB.Dでは良好な結果となった。
先発投手として、責任試合数を重ねた結果が反映されている。
五十嵐亮太が本指標では評価が下がってしまった。
中継ぎ投手に厳しい指標になっている面があるかもしれない。
オリックスバファローズも見てみよう。
貢献度の高い5投手は文句なく良好な結果になっている。
千葉ロッテに関しては、涌井秀章、石川歩、西野勇士の貢献が目立つ。
益田直也の貢献も抽出することができたのは新指標を打ち出した意義が感じられる。
ウイリアムスの貢献も目立つ。
勝ち星がつかず苦しんだ投手について貢献を抽出できたのは喜びを感じる。
則本昂大、辛島航、福山博之という貢献しているイメージの強い3投手が上位に来た。
ファルケンボーグの補強も間違いではなかったことがわかる。
中継ぎ投手、セットアッパーについてはやや不利な指標かもしれない。
だが、小松式ドネーションとは違った形で投手の評価ができていることが確認できた。
小松式ドネーションならぬひまざぶ式ドネーションによる投手の貢献度についての評価_1
小松式ドネーション (KD) と呼ばれる投手の評価方法が確立されている。
具体的には以下の式で表される。
KD = (イニング数×3)+{(勝利数+ホールド数+セーブ数)×10}
もともとは、小松聖投手が自分の成績をもとに愛犬保護活動の一環としての寄付活動を行うために設定されたものである。
投手の貢献度を示す指標として簡便であることから、プロ野球ファンの間でも用いられるようになっている。
イニング数や勝利数、セーブ数、ホールド数はチームに貢献した結果であるので、単純な貢献度を表すには申し分ないデータになるといえよう。
一方で、勝利数およびセーブ数、ホールド数を同一の価値で表していることに疑問を持った。
また、登板試合数を考慮しないとリリーフ投手に不利である。
さらに、敗戦数を評価に加算することにする。
責任投手になるということは先発投手であれば長いイニングを投げた証である。
中継ぎ投手にとっても、白黒がつく場面で投げているというのは信頼の証である。
そこで、試合数と敗戦数も変数として入れ込んだ「ひまざぶ式ドネーション」という新指標を提案したく、本文を寄稿した。
そもそもdonationというのは寄付、寄贈という意味であり、「ひまざぶ式ドネーション」という言葉自体に深い意味はなくなっていることも付け加えておく。
ひまざぶ式ドネーション (HMZB.D) については以下の式で表される。
HMZB.D = (勝利数×3) + (セーブ数×1.5) + (ホールド数×0.75) + (投球回×0.25) + (登板試合数×0.25) + (敗北数×0.25)
とした。
勝ち星については一番価値を重く考えている。
それを基準に、セーブ数は半分とした。
これは、15勝 = 30Sくらいと価値を置いたためである。
30S = 40Hくらいと計算して、ホールド数はセーブ数の3/4に設定した。
投球回に関しては9回投げると2.25になるように計算した。
これにより完投が勝利の3/4寄与する計算になる。
登板試合数に関しては50試合=200イニングになるような計算にしたかったので投球回の4倍の寄与度にしたかったのだが、試合数が増えると責任投手になる可能性が増す。
その影響を考慮すると0.25に落ち着いた。
敗戦投手も責任投手ということで、試合数と同じ価値を与えた。
次回はこの指標を用いて2014年の各チームの投手陣について評価していく。
サンデーモーニングにおける岩本勉氏にあっぱれ!
本日のサンデーモーニングにおけるスポーツコーナーのコメンテーター、いわゆる張本勲氏のフォロー役に選ばれたのがこの人。
ガンちゃんこと岩本勉氏です。
彼は現役時代に「まいど!」というマイクパフォーマンスで人気を博しました。
日本ハムファイターズのエースとして最多完投2回、2年連続開幕戦完封勝利、3度のオールスター戦出場、通算63勝という素晴らしい記録を残した名投手です。
そんな彼は解説も饒舌で関西弁巧みにジョークばかり飛ばすイメージが先行しています。
しかし、理論派でもあり野球を愛する気持ち、選手をリスペクトする気持ちに溢れています。
そんな彼にあっぱれをあげたいのが今日のサンデーモーニングでの解説です。
三浦大輔、谷繁元信に対して張本勲氏が「何年連続勝利とか何年連続安打とか大した記録じゃない。」と言い放ちました。
そんななかで岩本勉氏は張本、関口宏の言葉を遮って「あっぱれ!」と以下のような発言を贈ります。
「20年以上もプロ野球選手として自分に厳しく節制して、酷使して、セーブしてというのを継続しているお二方にあっぱれを送りたい。」
「心から尊敬に値する。」
「自分自身もパリッとしないといけない。」
基本的に否定ばかりの張本さんをフォローしつつ、三浦大輔、谷繁元信への尊敬を表明し、さらに自虐で笑いをとる100点満点のコメンテーターだという感想を得ました。
さらに、わかりやすい解説で「インフィールドフライの際、守備では扇の要となる實松に大きな声で指示を出して欲しかった。」「重盗を防ぐトリックプレーでボールから目を切った井納に野球の神様から喝が入った。」という表現はさすがのひとことです。
また、鉄板ネタである「イチローくんの日米4256安打のうち36本打たれてるんです。僕が一番ヒットを打たれてるんですね。まさにイチローの筆頭 (ヒットう) 株主です。」も飛び出しました。
張本勲さんの「喝!岩本が打たれなきゃ俺の記録抜かれるのもう少し遅かったのに。」という突っ込みもすばらしい。
ちなみに、筆頭株主ネタでは女性コメンテータ大爆笑でした。
さらに、テニスでもラグビーでもシンクロでもゴルフでも感心とリスペクトを込めたコメントが多く、大沢親分のテイストを感じました。
解説もわかりやすく、出演者視聴者の心も捉えて離さない岩本勉ことガンちゃん。
いっそ、大沢親分亡き後は週替わりレギュラーだったこの枠にガンちゃん固定でいいのではないかという感想を得ました。
ちなみに、「感想を得ました」というのもガンちゃん節です。
がんちゃんといえば、岩手大学にもこんなキャラクターがいるらしい・・・・・・。
これは蛇足だったなあという感想を得ましたね・・・・・・。
久保康友のヒーローインタビューに見る自信と覚悟と人生と
2015年5月4日(月)、横浜スタジアムで久保康友が飄々と東京ヤクルト打線を抑え込んだ。
6回までパーフェクトピッチングを見せていた。
大記録の期待もかかるテンポ良い投球。
しかし、7回に山田哲人からホームランを浴びてしまい完全試合もノーヒットノーランも完封も夢と消えた。
そこで大崩れすることもなく、筒香のファインプレーにも助けられ最後まで飄々と涼しい顔で完投勝利を飾った。
わずか101球、試合時間も2時間ちょいで終わらせた。
ヒーローインタビューで完全試合を逃したことについて触れられると、これも涼しい顔でさらりと答えた。
「僕は野球の方で運を使いたくないんでね、人生の方で運を使っていきたいんでね。」(早口で)
うん、これぞ久保康友節。
野球に関しては運なんかには頼らない。
投球術で相手を翻弄することができる。
チームに勝ちをもたらすことができる。
実力で自分の道を切り開いていける。
そういう自身と覚悟を表現している。
そして、野球はあくまで人生の一部である。
引退したあとも人生は続く。
そのことも理解した上で野球をどこか楽しんでいる。
そういう姿勢も見える。
久保康友の飄々とした強さの一端が見えた試合だった。
私たちも、仕事であれ学業であれ運に頼らず実力で切り開くことができる「武器」を持たなければならない。
なんだか、人生を教わった気がする。
ピタゴラス勝率ならぬPythagenpat勝率による各チームの順位考察
プロ野球がアツイ。
特に、今シーズンのセントラルリーグは横浜DeNAと東京ヤクルトの奮闘により混セの傾向が強い。
パシフィックリーグも北海道日本ハムが若手の躍動で強く、オリックスが補強した戦力が機能せずに苦戦していて例年以上の混パ模様である。
真中新監督、緒方新監督の力量を推し量るとともに、和田監督や森脇監督は世間で言われるほど無能なのか?
横浜DeNAや読売、北海道日本ハムの実力は本物なのかを調べるためピタゴラス勝率ならびにPytagenpat勝率を用いて検討してみた。
①勝率を求める。
勝率=勝利数/ (勝利数+敗北数)
②Pytagenpat勝率を求める。(^は指数、何乗しているか)
ピタゴラス勝率=(得点^2)/ (得点^2+失点^2)
これにより、得失点から計算するとどれくらいの勝率になるべきかを求める。
運および監督の采配、戦力運用が適切かを検討する。
より正確にするために、リーグ全体において点数の動きを考慮した指数を算出す
る。
Pytagenpat指数={(総得点+総失点)/ (試合数)}^2
Pytagenpat指数をnとする。
Pytagenpat勝率=(得点^n)/ (得点^n+失点^n)
③実際の勝率とPytagenpat勝率の差異を求める。
これによって、チームが得点能力および守備力の割にはよく勝っているのか、負け
ているのかを確認する。
セントラルリーグから見てみよう。
中畑監督、和田監督、原監督は戦力運用がうまいと言える。
特に読売は村田の不調や坂本、阿部の怪我など満足に戦力が整っていない中で1位にいるのは運だけでなく原監督の采配を褒めねばなるまい。
中畑監督も、倉本や関根、飛雄馬といった未知数の若手をやりくりしつつよくやっているのではないか。
以外にも東京ヤクルトが勝率の差異がマイナスになってしまっている。
ピッチャーの奮闘を生かしきれていないことを示していると言えよう。
広島東洋については、大差で勝って僅差で負けるという最下位チームにありがちな状況になってしまっているので勝率差異-0.157もうなずけるというものだ。
パシフィックリーグも見ていく。
栗山監督もよくやっているし戦力的にも整っていることを示しているのが北海道日本ハムだ。
レアードハーミッダ田中賢介が機能し、中島卓也や西川遥輝が成長を確かなものにしてることが大きい。
埼玉西武も上位にいて当然の実力を持ちながら、メヒアの不調や代打陣の不振をカバーして田辺監督の采配が冴えていることを表している。
福岡ソフトバンクは前評判、戦力、Pythagenpat勝率の上では1位にいなければいけないはずなのに3位に甘んじている。
工藤新監督の明るい表情はいいが、采配は冴えているとは言えない。
東北楽天はデーブ大久保監督でなければ数値上は最下位にいるはずだったという結果になっており面白い。
大久保監督は前評判が悪かったものの、松井を守護神にしたことと後藤光尊をショートに固定したことが大きいのではないかと思われる。
オリックスは、森脇監督の手腕および巨大戦力が機能しなかったことを示しており寂しい。
優勝候補と言われた実力を発揮するには金子千尋、佐藤達也といった昨シーズンの躍進における主役の復帰が待たれる。
それと同時にブランコ、中島裕之といった補強組はしっかり働いて欲しいところだ。(小谷野栄一は貢献している。)
たまには、セイバーメトリクスよろしく数式で野球を読み解くのも面白い。
「数学なんて実生活で使わない。」という俗説も跳ね返すことにもなるし理系学生や数学教師の方々にも取り組んでほしい課題である。
自チームの監督に不満がある方も満足している方もこの数値を見て「やっぱり森脇無能じゃん。」とか「栗山よくやってるじゃん。」「和田監督ごめんなさい。」「キヨシありがとう(°д°)」という感想を得るのではなかろうか。
~順位表および勝率は2015年5月1日試合消化時点のもの~
追記:2015年6月19日試合消化時点の記事を更新しました。
ストライクゾーンが「3次元空間である」ことを忘れてしまってはいけない。
ストライクゾーンの9分割っていう思考法は野村克也氏が一般化したと言われています。
そこから、プロ野球を取り巻く環境が変わり分析力をより重視するようになったことは年々、実感していることでしょう。
ただのエピソード再生工場じゃなんですよね。
しかし、9分割という考え方によってストライクゾーンが「3次元空間である」ことが置き去りになっている気がします。
どういうことかというと、例えばストライクゾーンのピッチャー寄りでボールをとらえた場合とキャッチャー寄りで捕まえた場合では9分割の面が変わってきます。
もっと言うと、頂点の部分で打った場合は「9分割」で定義できるのかは疑問です。
ストライクゾーンは、本来的には「9分割の面をホームベースの奥行分積分した空間」であると言えますね。
そのことを考慮すると「インハイに強い」というのもインハイの「奥行的にはピッチャーより?バッターより?」という部分も考慮して「27分割」すればデータとしてもより高度になるかもしれません。
ピッチャー寄りのインハイに弱い打者であれば「引っ掛けさせればいい」わけなので「インハイに思い切ってチェンジアップ」という配球ができます。
バッターよりのインローに弱い打者であれば「インローにストレート勝負」がいいかもしれません。
野球をプレー、観戦、分析する上で「ストライクゾーンは3次元空間である」ということを認識していくとおもしろくなりますね。
審判団の皆様もそこを考慮してジャッジして欲しいものです。(切実)
そして、ついでに数学および積分なんて日常生活に使わないという思考も払拭したことでしょう。
野球=積分だ!
うん、こじつけ工場!