岩佐徹氏の超スローボールに対しての問題発言とカットマン問題とダルビッシュ投手と
甲子園西嶋投手の超スローボールは「世の中を舐めている」 岩佐フジテレビ元アナ、ツイッター発言で袋叩きに (J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース
東海大四高の西嶋君、素晴らしかったと思います。
テレビの前で「おー!」と声を上げましたもん。
この超スローボールは北海道日本ハムの多田野投手も使っていることでお馴染みです。
個人的には、「剛速球もいいけど、こういう投球術、トリッキーなボールもいいよね。」という感じですごく感動しました。
野球漫画でも「超変速投法」はよく出てきます。
おそらく、野球ファンの多くが「超剛速球」に並ぶくらい「超変速投法」も大きなロマンを感じさせるものだと思うのです。
岩佐氏のTwitterにおける発言を発端に各所で賛否両論(殆ど岩佐氏への批?)のコメントが飛び交っています。
岩佐氏や、この問題を取り上げている各所で同時に取り上げるのが、昨夏の花巻東のカットマン千葉くんです。
花巻東・千葉 カット打法できず号泣敗退 - 高校野球ニュース : nikkansports.com
このカットする、何球も粘るというのもすごい技術を要します。
私自身「スゴい技術だなー。」と感動しました。
阪神の上本博紀選手も何球も粘る能力を武器としてトップバッターの座を射止めました。
体の小さい選手が生き残るには生命線となる「ファールで粘る」技術は、相手の球威に負けず巧くいなす日本人の美徳に通ずるものがあります。
根性、テクニック、柔よく剛を制す。という多面性を持ち感動をも生み出しました。
しかし、これも高野連からの厳重注意があるなど物議を醸しました。
この二つの問題が違うのは、ルールに明記されていたか否かです。
「超スローボール問題」はルールには何の明記もされていない、反則投法でもない正々堂々としたピッチングです。
なので、岩佐氏に賛同して騒いでいる外野(一部)および岩佐氏が問題を起こしたと言われても仕方がないでしょう。
西嶋君および東海大四高には何の落ち度もありませんし、審判団も適正な処理をしています。
「カットマン問題」は高校野球特別規則で「打者が意図的にファールにするような打撃をした場合は審判がバントとみなすことがある。」と記載されているのです。
そして、千葉くんがインタビューで「ファール狙いが持ち味。」と発言したことで「意図的なファール」とみなされ、注意を受けたのです。
この問題は、監督がこのルールを知っていれば千葉くんも「安打狙いなのにファールになっちゃって、すいません。苦笑」と発言するように指示することで防げたでしょう。
もっと言うとルールも「~なこともある。」っていう曖昧な言い回しですし、意図的かどうかは確認しようがないし落ち度だらけなんですよね。
つまり、監督とルールをつくった人が悪いわけです。
岩佐氏、一部の直球勝負派閥に西嶋くんが影響を受けず悔いが残らないことを祈ります。
監督や曖昧なルールに泣かされた千葉くんの無念を忘れないでいようと思います。
スローボールかスロカーブかが投球術ではないという話があると聞きました。 自分としては一番難しい球だと思ってます。言ってる人はピッチャーやったことないんだろうなと思います^^;
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) 2014, 8月 16
@faridyu 言ったのは私です。甲子園で高校生が投げました。ボールが画面の上に消えていきました。ハハハ。彼はそんな球を投げなくても緩急がつけられる投手だし、「高校生だから」ということもあって。75歳でピッチャーやったことないですが難しいことは知ってます。ヒジ、お大事に。
— 岩佐 徹 (@toruiwa) 2014, 8月 17
ダルビッシュ投手もこの問題に言及しています。
ダルビッシュ投手は野球が大好きで投球に美学を感じているからこそのツイートだと思います。
大好きな野球を、ピッチングの美学を共有できる素晴らしい投手、西嶋投手へのリスペクトが感じ取れます。
剛速球を投げられる能力を持ちながら変化球を追究し続けているダルビッシュ投手が言及したところに重い意味があります。
岩佐徹氏の発言の中に「そんな球を投げなくても」とあるのが引っかかります。
ダルビッシュ投手を持って「いちばん難しい球」と言わしめた超スローボールをそんな球と言ったところに敬意の無さが見て取れます。
ダルビッシュ投手の言う「ピッチャーやったことない」っていうのは「ピッチングを理解しようと思って真剣に、敬意を持って観たことすらない。」という意味が込められていると思うのです。
そして、せっかく練習した「超スローボールを使用しない」という選択肢が、果たして高校生の全力投球として美しいものなのでしょうか。
このやり取りを見て、ダルビッシュ投手をますます尊敬し、好きになりました。
それと同時に岩佐徹氏の発言の真意には疑問が膨らむばかりです。