himazabu's diary

ひまざぶです。マラソンしてます。フルPB_3:39:32, ハーフPB_1:32:20, 10kmPB_41:42

漁港の肉子ちゃん/西加奈子 を読みまSTAR☆

「みんな 望まれて生まれてきたんやで」

この言葉を額面通りに受け止めると「なんて気楽な言葉なんだろう。」と思ってしまうかもしれない。

 

しかし、肉子ちゃんときくりん、みうとお姉ちゃん (あえてこのような書き方にする) のやりとりを受けてからこの言葉を受け止めると、印象が変わる。

そう思って生きていかなきゃやってられないし、そう思って生きている人間を愛せるようになるし、そう思って生きて入れば「迷惑かけるがん、びびってちゃだめら」の意味がわかる。

とにかく私はみうとおねえちゃんのエピソード、肉子ちゃんときくりんのやりとりで涙が止まらなかった。

もしかしたら、自分の境遇も多少重ねてしまった部分もあるのかもしれない。

明石家さんまさんが一番好きな作家さん、一番好きな作品と挙げている理由も伺えた気がする。

 

基本的にはきくりん視点で世界を除くことになるが「いきなり、この人視点になるんだ!」という展開がとても気持ちよく世界にどっぷり漬かりながらするすると読めてしまう、それでいてあっさりはしていない、深い作品だと強く感じる。

 

何より、肉子ちゃんにはなりたくないけど肉子ちゃんの一挙手一投足が本当に魅力的なのだ。

「うちは、肉子ちゃんのことが大好き。」