曙ブレーキ工業株式会社における検査報告についての不正について思ったこと
曙ブレーキ工業 検査データ改ざん 再発防止を指示 赤羽国交相 | NHKニュース
報告書(定期検査報告における不適切な行為について) (eir-parts.net)
曙ブレーキ工業株式会社さんで、ブレーキパッドの主要項目についての不正があったとのニュースが舞い込んできました。
ブレーキパッドのせん断強度やブレーキキャリパーの耐圧強度などで、サンプルの検査数を省いていたにもかかわらず全数検査を実施したように改ざんしていたとのことです。
このニュースが耳に入ったとき、曙ブレーキ工業株式会社さんへの不信感よりも先に以下の2点が気になってしまいました。
1. 自動車メーカー (T社) からの要求にそもそも無茶はないのか。
自動車メーカーからの要求が「全数検査」であったとしてそれが部品メーカーに
とって工数的に無理のある内容であったことも懸念されます。
その場合、形骸化された無茶なルールとなっている可能性も示唆されます。
たとえば「同ロット中の6割を抜き取り検査する。」など工数的に無理のない
ルールを課していたらこのようなことは起きなかったのではないでしょうか。
「安全を保障する」ことと「仕入れ先の工数を圧迫しない」ことの両立を果たす
ルール作りが必要なのではないかと考えます。
2. 他ブレーキメーカーは本当に同じような不正を行っていないのか。
曙ブレーキ以外のブレーキ部品メーカー (日清紡ブレーキやADVICSなど) は
本当に同様の不正を行っていないのか調べる必要があると考えます。
そうでないと、曙ブレーキだけがアンフェアな状況に置かれてしまうことに
なります。
それだけではなく、他社でも同様の不正がみられた場合は1. に挙げたように
自動車メーカーが無茶を要求している証拠の一つになると考えられます。
これら2つのポイントから、曙ブレーキ工業株式会社にだけ厳しい目が向くのは少し
酷かなという気がしています。