東海大四高の西嶋投手の投球術と、ドカベンと、小宮山悟と
本日は、各所で話題になっている超スローボールの西嶋投手擁する東海大四高vs山形中央高校の試合がありましたね。
岩佐徹氏の超スローボールに対しての問題発言とカットマン問題とダルビッシュ投手と - himazabu's diary
私自身、注目しておりましたし、ワクワクして楽しみでしかたがありませんでした。
初回先頭打者に対しての投球、しびれました。
ストライクゾーンの外角スレスレを擦るようにストレートとスライダーを投げ込み、三振に斬って取ったのです。
右打者の外角へのコントロールはストレートもスライダーも抜群で、見逃しも多く理想的なピッチングに見えました。
その中に、100km近辺のスローカーブを交える投球は横浜DeNAベイスターズの三浦大輔投手のような小気味よさを覚えます。
彼が注目されるきっかけはそのスローカーブより更に遅く、画面から消えるような超スローボールです。
実況解説も「超スローボールはいつ投げるんでしょうか。」と来れば相手監督も「超スローボールとその次の直球を~」と西嶋くん=超スローボールが植えつけられている印象が強いです。
この時点で、西嶋投手の術中にハマっているとも言えます。
さらに、この西嶋投手がこのボールを投げないんです。
気づけば6回まで超スローボールを投げていないんです。
ひまざぶ「結局、超スローボールは6回まで1球もなかったか。」
小宮山 「投げていたよ。」
ひまざぶ「えっ・・・でも投げていませんよ。小宮山さん。」
小宮山「『いつか来る。』と相手に思わせるリード。それはつまり“投げていた”ということだ。」
ひまざぶ「あ。」
なるほど、小宮山悟氏の言うとおり・・・というか水島御大の言うとおりです。
このまま、1球も投げなかったとしても、それは投げたも同じという究極の投球術なわけです。
西嶋投手もすごいが、リードする上野捕手もすごいということですね。
7回表にその1球は投じられました。
西嶋が投じた超スローボール ― スポニチ Sponichi Annex 野球
超スローボールが投じられると球場はどっと湧きます。
そして狙い通り、次のストレートで中村選手 (6番打者) をショートゴロに打ち取ります。
試合は、打線が山形中央の佐藤僚投手の緩急自在のピッチングと石川投手のパワーピッチに抑えられ、0-0のまま延長戦に入ります。
10回表には4失策もあり2点を失い、2-0で敗れてしまいました。
試合には敗れましたが、西嶋投手の投球術に知恵も力も振り絞って闘う投手の生き様を見た気がします。
様々なものを背負う形となってしまったマウンドで立派に闘った西嶋投手を忘れないでいようと思います。
最後に、かなり東海大四高寄りの、西嶋投手寄りの記事になってしまったことをお詫びいたします。
山形中央高校が守りの野球を武器にどう勝ち進むのか楽しみです。
個人的には、投球術を究め「投げる精密機械」とまで言われ、シェイクという魔球まで開発した小宮山悟さんが彼の投球術をどう思っていらっしゃるかも聞いてみたいところではあります。
対談とかやってくれないかなー。