「イオン化傾向」と、「めっき」と、「合金」と
今回は、イオン化傾向について説明します。
イオン化傾向とは、「いかにイオンになりやすいか」という指標です。
イオン化傾向が大きければイオンになりやすい傾向にあります。
イオン化傾向が小さければイオンになりにくい傾向にあります。
上記の表で言うと、左側にあるK (カリウム) やCa (カルシウム) などはイオン化傾向が大きく、右に行くにつれてイオンになりにくくなります。
イオン化傾向が大きい=反応しやすい=不安定ということになります。
なので、酸化しやすかったり水と反応しやすかったりします。
表の左から、「貸そうかな。まあ、あてにすんな!ヒドすぎる借金!」と覚えましょう。
「貸 (K) そうか (Ca) な (Na) 。ま (Mg) あ (Al) 、あ (Zn) て (Fe) に (Ni) すん (Sn) な (Pb)!ヒ (H) ド (Cu) す (Hg) ぎ (Ag) る借 (Pt) 金 (Au) 」
イオン化傾向が小さい金属イオンの溶液に、イオン化傾向が大きい金属を入れると、イオン化傾向の小さい金属が析出します。
イオン化傾向の大きい金属がイオンとなって溶け出します。
たとえば、Cu2+の溶液にZnを入れると,Cuが析出してZnは溶けてZn2+イオンとなります。
Cu2+溶液は水色ですが、色が薄くなってきます。
Cuが樹枝状に成長します。
この現象はイオン化傾向の小さい金属が析出する際には見られます。
「金属樹」と呼ばれる現象です。
また、イオン化傾向の違いを利用して鉄を保護する工程を「めっき」といいます。
ぶりきのように、Feにあえてイオン化傾向の小さいSnをめっきしたものはおもちゃなどに使われます。
イオン化傾向の小さいスズが鉄を守るので錆びにくく、美観を保ちます。
ただし、キズが付いた場合に中の鉄があっという間に錆びてしまいます。
筆箱にキズをつけまくったら錆び錆びになったのを思い出します。
ハッ!高頭!
めっきのように異種の金属を複合した材料としては合金が挙げられますね。
真鍮 (しんちゅう) は銅と亜鉛の合金です。
機械の部材に使われています。
金色の部分はだいたい、しんちゅうです。
青銅 (ブロンズ) は銅とスズの合金です。
銅像に使われたり、ドラクエの装備品に使われています。
白銅は100円玉に使われています。
ホワイトゴールド、ピンクゴールドのように指輪や腕時計に使われている材料も金をメインにした合金です。
女性はこれを覚えておくと、彼氏さんから指輪やネックレスをプレゼントされた時に「ありがとう。金と銀、亜鉛、ニッケルの合金でできたホワイトゴールドの指輪をくれて。」
「ありがとう。金および銅の合金でできたネックレスをくれて。」
などと的確なお礼を言えるので便利ですよ。
受験生のみなさんはイオン化傾向を覚えてください。
めっき、合金もしっておくと生活がちょっと楽しくなるかもしれません。
特に、女性は合金!